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【数学I】例題2.1.13:対偶を用いた証明1(One More)★★

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% 例題I2.1.13:対偶を用いた証明1 (One More)★★
次の命題を証明せよ.ただし,$m,n$を整数とする. (1)$n^2$が偶数ならば,$n$は偶数である. (2)$m n$が偶数ならば,$m$または$n$は偶数である.

% 解答(例題I2.1.13)
(1)もとの命題の対偶「$n$が奇数ならば,$n^2$は奇数である」を証明する.$n$は奇数であるとき,整数$k$を用いて$n=2 k+1$と表せるから,$$n^2=(2 k+1)^2=2\left(2 k^2+2 k\right)+1$$$k$は整数より,$2 k^2+2 k$も整数であるから,$n^2$は奇数である. よって,対偶が証明されたから,もとの命題も成り立つ.$\blacksquare$(2)もとの命題の対偶「$m,n$がともに奇数ならば,$m n$は奇数である」を証明する.$m,n$は奇数であるとき,整数$k,l$を用いて$m=2 k+1,n=2 l+1$と表せるから,$$m n=(2 k+1)(2 l+1)=2(2 k l+k+l)+1$$$k,l$は整数より,$2 k l+k+l$も整数であるから,$m n$は奇数である. よって,対偶が証明されたから,もとの命題も成り立つ.$\blacksquare$

% 問題I2.1.13
次の命題を証明せよ.ただし,$a,b$を整数とする. (1)$a^3$が偶数ならば,$a$は偶数である. (2)$a^2+b^2$が奇数ならば,積$ab$は偶数である.

% 解答I2.1.13
(1)もとの命題の対偶「$a$が奇数ならば,$a^3$は奇数である」を証明する.$a$は奇数であるとき,整数$k$を用いて$a=2 k+1$と表せるから,$$a^3=(2 k+1)^3 =8 k^3+12 k^2+6 k+1 =2\left(4 k^3+6 k^2+3 k\right)+1$$$k$は整数より,$4 k^3+6 k^2+3 k$も整数であるから,$a^3$は奇数である. よって,対偶が証明されたから,もとの命題も成り立つ.$\blacksquare$(2)もとの命題の対偶「積$ab$が奇数ならば,$a^2+b^2$は偶数である」を証明する.$ab$は奇数であるとき,$a,b$はともに奇数であり,整数$k,l$を用いて$a=2k+1,b=2l+1$と表せるから,$$\begin{aligned} a^2+b^2 &=(2 k+1)^2+(2 l+1)^2 \\ &=4 k^2+4 k+1+4 l^2+4 l+1 \\ &=2\left(2 k^2+2 k+2 l^2+2 l+1\right)\end{aligned}$$$k,l$は整数より,$2 k^2+2 l^2+2 k+2 l+1$も整数であるから,$a^2+b^2$は偶数である. よって,対偶が証明されたから,もとの命題も成り立つ.$\blacksquare$

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