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【数学A】4章:数学と人間の活動(節末問題・章末問題)

節末A4.1.1の解答
節末A4.1.2の解答
節末A4.1.3の解答
節末A4.1.4の解答
節末A4.1.5の解答
節末A4.2.1の解答
節末A4.2.2の解答
節末A4.2.3の解答
節末A4.2.4の解答
節末A4.2.5の解答
章末A4.1の解答
章末A4.2の解答
章末A4.3の解答
章末A4.4の解答
章末A4.5の解答
検索用コード(LaTeX)
% 節末A4.1.1★★
正の約数の個数が12個である自然数のうち,最も小さい数を求めよ.

% 節末A4.1.2★★
$n!$について,下4桁に0が4個連続して並ぶような最小の自然数$n$を求めよ.

% 節末A4.1.3★★
分数$\frac{144}{35},\frac{234}{55}$のいずれに掛けても積が自然数となるような分数のうち,最小のものを求めよ.

% 節末A4.1.4★★★
すべての自然数$n$について,$n$と$n+1$は互いに素であることを証明せよ.

% 節末A4.1.5★★★
$\frac{n}{196}$が1より小さい既約分数となるような正の整数$n$は全部で何個あるか.

% 節末A4.2.1★★
120と168の最大公約数$g$を求め,$g=120m+168n$となる整数$m,n$の組を1つ求めよ.

% 節末A4.2.2★★★
方程式$19x+53y=7$を満たす整数の組$(x,y)$の中で,$|x-y|$が最小となるものを求めよ.

% 節末A4.2.3★★
ある自然数から35を引いた数と,36を加えた数がともに平方数となった.このとき,その自然数を求めよ.

% 節末A4.2.4★★
$n$を5以上の整数とする. (1)十進法で表された数$(n+1)^2$を$n$進法で表せ. (2)十進法で表された数$(2n-1)^2$を$n$進法で表したとき,$n$の位の数を求めよ.

% 節末A4.2.5★★
十進法の1440を$n$進法で表すと$10400_{(n)}$になった.$n$の値を求めよ.

% 章末A4.1★★★
${ }_{80} \mathrm{C}_{40}$が$2^n$で割り切れるとき,自然数$n$の最大値を求めよ.

% 章末A4.2★★
$n$を自然数とする.$n+4$は5の倍数であり,$n+9$は11の倍数である.このような自然数$n$で300より小さいものは何個あるか.

% 章末A4.3★★★★
(1)2つの自然数$a$と$b (a > b)$が互いに素であるとき,$a$と$a-b$も互いに素であることを証明せよ. (2)504以下の自然数で,504と互いに素な自然数はいくつあるか答えよ. (3)504以下の自然数で,504と互いに素な自然数の総和を求めよ.

% 章末A4.4★★★
$x$についての2次方程式$x^2+2 a x+2 a-8=0$が異なる2つの整数解をもつような整数$a$の値を求めよ.

% 章末A4.5★★★★
6の約数$1,2,3,6$の和は6の2倍になっている.このように,正の約数の和がその数の2倍に等しいとき,その数を完全数という.$p,q$を異なる素数として,次の問いに答えよ. (1)$p q$の形の完全数をすべて求めよ. (2)$p^2 q$の形の完全数をすべて求めよ.

% 解答(節末)A4.1.1
正の約数の個数が12個である自然数は,次の4つの場合がある. (i)素数$p$を用いて$p^{11}$と表されるとき このような自然数のうち,最も小さい数は, $ 2^{11} = 2048 $ (ii)2つの異なる素数$p,q$を用いて$p^5 q$と表されるとき このような自然数のうち,最も小さい数は, $ 2^5 \cdot 3 = 96 $ (iii)2つの異なる素数$p,q$を用いて$p^3 q^2$と表されるとき このような自然数のうち,最も小さい数は, $ 2^3 \cdot 3^2 = 72 $ (iv)3つの異なる素数$p,q,r$を用いて$p^2 q r$と表されるとき このような自然数のうち,最も小さい数は, $ 2^2 \cdot 3 \cdot 5 = 60 $ (i)〜(iv)より,求める自然数は,60

% 解答(節末)A4.1.2
$n!$が因数10を4個含むとき,下4桁に0が4個並ぶ. また, $10 = 2 \cdot 5$であり,$n!$に含まれる因数5の個数が因数2の個数より少ないので,因数10の個数は因数5の個数に等しい. よって,$n!$に5の倍数を4個含むような自然数$n$のうち,最小のものが求める数となるから, $$ 5 \times 4 = 20 $$ より,求める自然数$n$は,20

% 解答(節末)A4.1.3
与えられた条件を満たす分数を$\frac{a}{b} (a,b$は互いに素な自然数)とすると,$a$は35と55の公倍数,$b$は144と234の公約数である. したがって,$\frac{a}{b}$が最小となるには,35と55の最小公倍数を$a$,144と234の最大公約数を$b$とすればよい. よって,$35 = 5 \cdot 7,55 = 5 \cdot 11,144 = 2^4 \cdot 3^2,234 = 2 \cdot 3^2 \cdot 13$ であるから, $$ a = 5 \cdot 7 \cdot 11 = 385,b = 2 \cdot 3^2 = 18 $$ とすると,求める最小値は, $ \frac{385}{18} $

% 解答(節末)A4.1.4
$n$と$n+1$が互いに素ではないと仮定すると,$n$と$n+1$は共通の素数$p$を約数にもち, $$ n = a p,n+1 = b p $$ とおける.ただし,$a,b$は自然数である. このとき, $$ (n+1) - n = b p - a p $$ すなわち, $1 = (b-a)p$ ここで,$b-a$は整数であるから,$p$は1の約数である. これは$p$が素数であることに矛盾する. よって,$n$と$n+1$は互いに素である.$ \blacksquare$

% 解答(節末)A4.1.5
$n$は196と互いに素である195以下の正の整数である.$196 = 2^2 \cdot 7^2$であるから,このような数は,1から195までの195個の自然数のうち,2または7の倍数を除いたものである.1から195までの自然数について, 2の倍数の個数は,$1\cdot 2,2\cdot 2,\ldots,97\cdot 2$の$97$個 7の倍数の個数は,$1\cdot 7,2\cdot 7,\ldots,27\cdot 7$の$27$個 14の倍数の個数は,$1\cdot 14,2\cdot 14,\ldots,13\cdot 14$の$13$個 よって,求める個数は, $$ 195 - (97 + 27 - 13) = 84 (\text{個})$$

% 解答(節末)A4.2.1
120と168について,ユークリッドの互除法を用いる. $$ \begin{array}{ll} 168 = 120 \times 1 + 48 \text{ より,} & 168 - 120 \times 1 = 48\cdots(\mathrm{i})\\ 120 = 48 \times 2 + 24 \text{より,} & 120 - 48 \times 2 = 24\cdots(\mathrm{ii})\\ 48 = 24 \times 2 & \end{array} $$ よって,最大公約数$g$は,$g = 24$ (ii)に(i)を代入すると,$120 - (168 - 120 \times 1) \times 2 = 24$より, $120 \times 3 - 168 \times 2 = 24$ よって,求める整数$m,n$の組の1つは, $(m,n) = (3,-2)$

% 解答(節末)A4.2.2
方程式$19x + 53y = 7 \cdots(\mathrm{i})$の係数である$19$と$53$について,ユークリッドの互除法を用いる. $$ \begin{array}{ll} 53 = 19 \times 2 + 15 \text{より,} & 53 - 19 \times 2 = 15\cdots(\mathrm{ii}) \\ 19 = 15 \times 1 + 4 \text{ より,} & 19 - 15 \times 1 = 4 \cdots(\mathrm{iii})\\ 15 = 4 \times 3 + 3 \text{より,} & 15 - 4 \times 3 = 3 \cdots(\mathrm{iv})\\ 4 = 3 \times 1 + 1 \text{ より,} & 4 - 3 \times 1 = 1\cdots(\mathrm{v}) \end{array} $$ (v)に(iv)を代入すると,$4 - (15 - 4 \times 3) \times 1 = 1$より, $$ 4 \times 4 + 15 \times (-1) = 1 $$ これに(iii)を代入すると,$(19 - 15 \times 1) \times 4 + 15 \times (-1) = 1$より, $$ 19 \times 4 + 15 \times (-5) = 1 $$ これに(ii)を代入すると,$19 \times 4+(53 - 19 \times 2) \times (-5) = 1$より, $$ 53 \times (-5) + 19 \times 14 = 1 $$ この両辺に$7$を掛け合わせると, $53 \times (-35) + 19 \times 98 = 7\cdots(\mathrm{vi})$ $(\mathrm{i})-(\mathrm{vi})$より,$19(x -98) + 53(y+35) = 0$ したがって,$19(x - 98) = -53(y +35)\cdots(\mathrm{vii})$ 19と53は互いに素であるから,$x -98$は53の倍数となり,$k$を整数とすると,$x -98 = 53k$,すなわち,$x = 53k +98$ これを(vii)に代入して整理すると, $y = -19k -35$ ゆえに,(i)を満たす整数の組$(x,y)$は, $ \left\{ \begin{array}{l} x = 53k +98 \\ y = -19k -35 \end{array} (k \text{は整数}) \cdots(\mathrm{viii})\right .$ したがって, $|x - y| = |72k + 133|$ これが最小となる$k$の値は,$k=-2$ よって,求める整数の組$(x,y)$は,(viii)より, $ (x,y) = (-8,3) $

% 解答(節末)A4.2.3
求める自然数を$n$とする. $n$から35を引いた数,$n$に36を足した数はともに平方数となるから, $$ n - 35 = p^2 \cdots(\mathrm{i}),n + 36 = q^2 \cdots(\mathrm{ii}) $$ とおける.ただし,$p,q$は自然数とする. ここで,$n - 35 < n + 36$より,$p^2 < q^2$,すなわち,$p < q$ (ii)$-$(i)より, $q^2 - p^2 = 71$ したがって, $(q + p)(q - p) = 71$ $q + p > q - p > 0$より, $\begin{aligned} &\left\{ \begin{array}{l} q + p = 71 \\ q - p = 1 \end{array} \right . \end{aligned}$ これを解くと, $p = 35,q = 36$ ゆえに,(i)に代入すると, $n - 35 = 35^2$ したがって, $n = 1260$ よって,求める自然数は,$1260$

% 解答(節末)A4.2.4
(1)$(n+1)^2 = n^2 + 2n + 1 = 1 \times n^2 + 2 \times n + 1 = 121_{(n)}$ (2) $\begin{aligned} (2n-1)^2 & = 4n^2 - 4n + 1 \\ & = 3n^2 + n^2 - 4n + 1 \\ & = 3n^2 + (n-4)n + 1 \\ & = 3 \times n^2 + (n-4) \times n + 1 \end{aligned} $ よって,$n$進法で表したときの$n$の位の数は,$n-4$

% 解答(節末)A4.2.5
$10400_{(n)}$を十進法で表すと, $$ 10400_{(n)} = 1 \times n^4 + 0 \times n^3 + 4 \times n^2 + 0 \times n + 0 = n^4 + 4n^2 $$ これが1440と等しくなるので,$n^4 + 4n^2 = 1440$ したがって,$n^4 + 4n^2 - 1440 = 0$ ゆえに, $$ (n^2 + 40)(n^2 - 36) = 0 $$ よって,$n$は5以上の自然数であるから,$ n=6$

% 解答(章末)A4.1
与えられた${ }_{80} \mathrm{C}_{40}$は,${ }_{80} \mathrm{C}_{40}=\frac{80!}{40!40!}$と表される. 1から40までの自然数について, 2の倍数は20個,4の倍数は10個,8の倍数は5個, 16の倍数は2個,32の倍数は1個 したがって,$40!$に含まれる因数2の個数は, $$ 20+10+5+2+1=38 (\text{個}) $$ また,1から80までの自然数について, 2の倍数は40個,4の倍数は20個,8の倍数は10個, 16の倍数は5個,32の倍数は2個,64の倍数は1個 ゆえに,$80!$に含まれる因数2の個数は, $$ 40+20+10+5+2+1=78 (\text{個}) $$ したがって,${ }_{80} \mathrm{C}_{40}$に含まれる因数2の個数は, $$ 78-38 \times 2=2 (\text{個}) $$ よって,求める自然数$n$の最大値は,$n=2$

% 解答(章末)A4.2
$n+4,n+9$は,それぞれ $ n+4 = 5k\cdots(\mathrm{i}), n+9 = 11l\cdots(\mathrm{ii}) (k,l \text{ は自然数 }) $ とおける. (ii)$-$(i)より, $ 5 = 11l - 5k $ したがって, $ 11l = 5(k+1) $ 11と5は互いに素であるから,$l$は5の倍数である. ゆえに,$l = 5m (m \text{ は自然数})$と表せる. (ii)より,$n+9 = 11l=11 \cdot 5m=55m$であるから, $ n = 55m - 9 $ したがって,$1 \leqq n < 300$より, $ 1 \leqq 55m - 9 < 300 $ であるから, $$ \frac{10}{55} \leqq m < \frac{309}{55} $$ $m$は自然数であるから,$1 \leqq m \leqq 5$ よって,これを満たす自然数$m$は5個であるから,条件を満たす自然数$n$は,5個

% 解答(章末)A4.3
(1)$a$と$a-b$が互いに素ではないと仮定すると,$a$と$a-b$はある素数$p$を約数にもち, $ a = pm \cdots (\text{i}),a-b = pn \cdots (\text{ii}) $とおける.ただし,$m$と$n$は互いに素な自然数とする. $(\mathrm{i})-(\mathrm{ii})$より, $ b = p(m-n) $ ここで,$m-n$は整数であるから,$p$は$b$の約数でもある. したがって,$p$は$a$と$b$の公約数となり,これは$a$と$b$が互いに素であることに矛盾する. よって,$a$と$a-b$は互いに素である.$ \blacksquare$ (2)$504=2^3 \times 3^2 \times 7$であるから,504は素因数として$2,3,7$をもつ. 504以下の自然数について, 2の倍数は$252$個, 3の倍数は$168$個, 7の倍数は$72$個 6の倍数は$84$個, 21の倍数は$24$個, 14の倍数は$36$個, 42の倍数は$12$個 したがって,504以下の自然数で,504と互いに素ではない自然数の個数は, $$ 252 + 168 + 72 - 84 - 24 - 36 + 12 = 360 (\text{個}) $$ よって,504以下の自然数で,504と互いに素な自然数の個数は, $$ 504 - 360 = 144 (\text{個}) $$ (3)504以下の自然数で504と互いに素な自然数は, $$ 1,5,11,13,\ldots,491,493,499,503 $$ の計144個である. ここで,(1)より,504以下の自然数の1つを$n$とすると,504と$n$が互いに素であるとき,$504-n$と504も互いに素である. したがって,504以下の自然数で,504と互いに素な自然数は,和が504となる2つの数の組に分けることができ,その組の数は, $$ 144\div 2 = 72 (\text{組}) $$ よって,504以下の自然数で,504と互いに素な自然数の総和は, $$ 504 \times 72 = 36288 $$

% 解答(章末)A4.4
与えられた2次方程式の判別式を$D$とすると, $$ \frac{D}{4} = a^2 - (2a - 8) = a^2 - 2a + 8 = (a-1)^2 + 7 $$ したがって,この2次方程式は,$a$の値に関わらず,異なる$2$つの実数解をもつ. この2次方程式の解は,$$ x = -a \pm \sqrt{(a-1)^2+7} $$ 方程式が異なる2つの整数解をもつとき,$\sqrt{(a-1)^2+7}$は整数となるから,$\sqrt{(a-1)^2+7}=b$($b$は正の整数)とおける. 両辺を2乗して整理すると,$$(a-1)^2 - b^2 = -7$$ ゆえに,$$\{(a-1)+b\}\{(a-1)-b\} = -7$$ ここで,$b > 0$より,$a-1+b > a-1-b$であるから, $$ (a-1+b,a-1-b) = (7,-1),(1,-7) $$ したがって, $$ (a,b) = (4,4),(-2,4) $$ よって,$$a = 4,-2$$

% 解答(章末)A4.5
(1)$p q$の約数は,$1,p,q,p q$の4個であるから,$p q$が完全数であるための条件は, $$ 1 + p + q + p q = 2 p q $$ したがって,$(p-1)(q-1) = 2$ ここで,$p\geqq 2,q \geqq 2$であるから, $$ (p-1,q-1) = (1,2),(2,1) $$ ゆえに, $ (p,q) = (2,3),(3,2) $ よって,$p q$の形の完全数は,$6$ (2)$p^2 q$の約数は,$1,p,q,p^2,p q,p^2 q$の6個であるから,$p^2 q$が完全数であるための条件は, $$ 1 + p + q + p^2 + p q + p^2 q = 2 p^2 q $$ したがって,$(1 + p + p^2)(1 + q) = 2 p^2 q\cdots(\mathrm{i})$ ここで,$1 + p + p^2$は$p$で割り切れないから,$1 + q$は$p$で割り切れる. ゆえに,(i)を, $$ \left(1 + p + p^2\right) \frac{1 + q}{p} = 2 p q $$ と式変形すると,$1 + p + p^2$は同様に$p$で割り切れないから,$\frac{1 + q}{p}$は$p$で割り切れ,さらに2で割り切れる. ゆえに, $$ 1 + q = 2 p^2 \cdot r (r \text{ は整数})\cdots(\mathrm{ii}) $$ とおける.これを(i)に代入すると, $$ \left(1 + p + p^2\right) r = q\cdots(\mathrm{iii}) $$ ここで,$q$は素数であるから,$r = 1$であり.(ii),(iii)に代入すると, $$ 1 + q = 2 p^2,1 + p + p^2 = q $$ これを解くと,$p = 2,q = 7$ よって,$p^2 q$の形の完全数は,$28$

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