% 例題I5.1.14:仮説検定の考え方 (One More)★★
ある企業が発売しているサービスを改良し,20人に対しアンケートをとったところ,16人が「サービスが向上した」と回答した.この結果から,サービスは向上したと判断してよいか.仮説検定により,基準となる確率を0.05として考察せよ.ただし,$50\%$の確率で表が出る公正なコインを20回投げて,表が出た回数を記録する実験を200セット行ったところ次の表のようになったとして,この結果を用いよ. \begin{center} \scriptsize \begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline 表が出た回数&3&4&5&6&7&8&9&10&11&12&13&14&15&16&17&計\\ \hline 度数&1&3&6&12&16&23&25&31&27&21&16&9&6&3&1&200\\ \hline \end{tabular} \end{center}
% 解答(例題I5.1.14)
「サービスが向上した」と判断してよいかを考察するために,これに反する 「サービスが向上したとはいえない」,すなわち,「サービスが向上した結果が得られたのは偶然である」という仮説を立てる.このとき,公正なコインの実験結果から,表が出た回数が16回以上である場合の相対度数は,$$\frac{3+1}{200}=\frac{4}{200}=0.02$$よって,これは0.05より小さいから,仮説は正しくなかったと考えられ,仮説は棄却される.すなわち,サービスが向上したと判断してよい.
% 問題I5.1.14
ある商品に新機能を追加し,20人に対しアンケートをとったところ,15人が「新機能が役立つ」と回答した.この結果から,新機能が役立つと判断してよいか.仮説検定により,基準となる確率を0.05として考察せよ.ただし,$50\%$の確率で表が出る公正なコインを20回投げて,表が出た回数を記録する実験を200セット行ったところ次の表のようになったとして,この結果を用いよ. \begin{center} \scriptsize \begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline 表が出た回数&3&4&5&6&7&8&9&10&11&12&13&14&15&16&17&18&計\\ \hline 度数&1&2&6&12&16&23&25&31&27&21&16&8&6&3&2&1&200\\ \hline \end{tabular} \end{center}
% 解答I5.1.14
「新機能が役立つ」と判断してよいかを考察するために,これに反する 「新機能が役立つとはいえない」,すなわち,「新機能が役立つ結果が得られたのは偶然である」という仮説を立てる.このとき,公正なコインの実験結果から,表が出た回数が15回以上である場合の相対度数は,$$\frac{6+3+2+1}{200}=\frac{12}{200}=0.06$$よって,これは0.05より大きいから,偶然に起こり得る事象であるといえる.すなわち,仮説を棄却することはできず,新機能が役立つとは判断できない.